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どんな正月が金ヶ窪沢に氷床が出現するのか

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三つ峠の金ヶ窪沢は歩いて20分ほどという場所と首都圏に近いという立地もあって、最近は多くのアイスクライマーを迎えている。規模の割に容易なので初心者にはよいゲレンデだ。年末には大滝はアイスクライミング可能になることが多いが、まったく駄目な年もある。この時期に行くには凍っているかの判断が必要だ。ネット情報で誰かの報告を基に判断するのも否定しないが、情報無しで凍っているだろうと判断するのも面白い。

以前私はどんな年が丹沢でアイスクライミングができるかを考察したことがある。今回はどんな正月が金ヶ窪沢に氷床が出現するのかの考察を試みた。そこで私は河口湖の前月(12月)の気象条件に着目してみた。日平均気温の月平均、日最低気温の月平均、月降雨量である。気温が低いだけでなく雨が少ないことが正月に良い氷結条件と考えたのである。
河口湖の12月の平均はそれぞれ、2.0度、-3.4度、42.4mmである。今年の正月はいつになくよく凍った年だが、気象条件は0.9度、-4.7度、11.5mmとここ10年間で最も寒く、かつ雨量が少なかった。2012年正月は今年と同じようによく凍った年で大滝下の沢も氷床となっていた。翌年の2013年正月はとてもアイスクライミングができるような状態ではなかった。
気象条件を比べると
2011年12月は1.4度、-3.8度、53mm。
2012年12月は1.5度、-3.7度、58m。
非常に似たような条件だったが、なぜ結果に大きな差が生じたのだろうか。
そこで雨の降った時期を調べてみた。2011年はまとまった雨は上旬でし中旬以降は降雨がなかった。しかし2012年は下旬にまとまった降雨があった。すなわち雨の降った時期の違いが結果に大差が生じた要素であると結論して問題ないだろう。寒い日が続いているからよく凍っているだろうと単純に考えるのは危ない。氷の形成時期にまとまった降雨がなかったことを確認するもとが重要だ。暖かい丹沢では気温は大きな要素だが、寒い三つ峠では気温よりも少雨が重要な要素になるというのが私の結論である。

(写真は2012年正月)




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by ichigomilkkk | 2018-01-06 11:43 | Comments(0)